小学6年生の給食での出来事によって、心の中だけだった嘔吐への恐怖が、当たり前のように身体に異変が起きるようになってしまいました。それからは、野球を辞める、家族との外食も行けない、食事時間を避けての友人との約束。人混みも電車に乗るのも怖くなり、デパートなどに行くとトイレの位置を確認する。外出すると飲食店から匂いだけでも気分が悪くなってしまう…。
母から担任に言ってもらっても、給食を残すことは許されない…。
担任に監視され続ける給食。朝起きると憂うつな気分。胃腸薬を飲む毎日。給食時間が近づくにつれ身体は異変が起きる。日曜日ですら、身体に異変が起きる…。
もう逃げ場もなく、相談相手もいない。
解決策もなく、なすがまま。
行動範囲が狭くなり、周りが信じられなくなっていく…。
こんな生活は本当にもうイヤだー!!
ある日曜日の朝を迎える。
もうこれ以上、耐えられない!
死のう!
その方がきっと楽!
でも怖い!
このまま恥さらしのまま生きていくのか!
6年生を乗り切っても、恐怖症はもう治らないぞ!
学校だけでなく、外ですら怖い!
学校でも誰も助けようとしてくれない!
夢? 希望? そんなのどこにある!
オレにはまったく見えない!
あの担任は絶対に許せない!
どうやって、終わりにしようか。
両親には申し訳ないけど、やはり家の中で死のう…。
どうやる?
やはり、ナイフで体を!
どこで?
風呂場だな。いや自分の部屋?
いつ?
・・・・・・・・・・・・・・・・
果物ナイフを右手で持ちながら、まずは2階にある自分の部屋で考える。
死ぬことも怖いけど、これでもう悩まなくていい…。
どうする? 自問自答する。
時間は刻々と過ぎる…。
昼が過ぎ、
夕方に
決断できない!
情けない!
怖い!
まだ12年しか生きていないじゃないか!
これからまだ先があるじゃないか!
恐怖症が治るかもしれないじゃないか!
という自分もいる…。
でも、未来に希望も夢も持てないんだぞ!
そんなとき、1階から母の声、
「夕飯できたよ」
最後の夕ご飯…。
ナイフを置いて、1階に降りる…。
家族との夕飯。いつもの雰囲気…。
死ぬのは、やはり怖い!
できなかった!
学校も怖いけど、何とかなるかもしれない…、かな。
果物ナイフを、親にバレないように、
もとの位置に、そーっと。
明日は、また給食…、
身体に異変が起きるけど、
「いつでも死ねる」と言い訳。
眠りにつく。
まだまだ、身体が普通に動くだけ、オレは恵まれている!
世の中、もっと大変な方がいるんだ! オレはまだ恵まれている!
戦争している国の子どもたちより、オレは恵まれている!
そう言い訳しながら…。
ここまで追い詰められても、恐怖症には効果がない…。
これから、どうする?
わからないけど、生きるしかない…。
「(いつでも死ねるから)」(でも、怖い!できない…)