嘔吐恐怖症克服へ向けて、命運をかけた19880207日曜

  • LINEで送る
恐怖症克服へ向けて命運をかけた日曜日

 
2月7日日曜日の午後、西荻窪駅に到着。駅から持ってきた東京の地図を見ながら、目的地を探す。(当時、スマホ、GPS、Googleマップもないから、紙の地図に、タウンページに載っている住所から、おおよその位置に印を付けて探したんだよ)

東京は迷路のよう。方向音痴ではないけど、住所しか判らない住宅街の中から目的地を探すのは難しい。西荻窪駅から400、500mくらいしかないところだけど、すぐには見つからない。

見つかった! 入り口に表示が!

「(ここだ!)」

性格上、約束時間より早く到着するように来ちゃう。まだ約束の時間まで30分以上ある。スムーズに帰れるように、風景を記憶しながら、また西荻窪駅方向へ向かう。帰りの道が確認できたところで、反転して目的地方向へ。そんなとき、また不安がよぎる…。

「(本当に、そのカウンセリングセンターって、大丈夫? そもそも自己催眠術で、吐くことが怖い問題が治るの?)」。考えれば、考えるほど不安が増す。

あと10分で約束時間。カウンセリングセンターのすぐ近くの路地に立ちながら、葛藤し続ける。「(東大病院の門まで行っておきながら、何もせずに帰ってしまった失態はもうやめよう! あのとき、病院に行っていれば、今ごろは、もしかすると…)」とまた妄想する。

「(やってみる前から、あーだ、こーだ考えずに、とにかくやるしかないだろ!)」。腹を括って、入り口のインターフォンを押す。

中から、先生らしき、白衣を着た男性が玄関に。

「鈴木さんね」
「はい。よろしくお願いします!」と部屋の中に入る。医院のような部屋をイメージしていたが、まったく違った。一般の家の中の応接間をカウンセリングルームにした感じ。ある意味、緊張せずに気楽に過ごせる雰囲気。

心臓はややドキドキしていたが、身体の異変ではなく、普通の緊張状態と同じ。先生と一度、電話で話をしているし、こちらの状況を知っていることもあり、落ち着いていた。「(本当に大丈夫かな?)」その不安はあったが…。

8回分のセッション費用を一括で支払った後、カウンセリングがスタート。

10日ほど前、電話で話をした内容について、再度会話をする。

恐怖症になった経緯、身体に異変が起き始めた給食での出来事、騙し騙しの生活、今の苦しさ、自己催眠術を知ったキッカケ、なぜここを選んだのか? そんな会話をした。

私からすべてを言い終えた後、先生から、実際にどんな方法で習得していくのかの説明を聞いた。平井富雄さんの著書に書いている方法と全く同じではないが、考え方はほぼ同じで一安心。

そして呼吸の仕方からスタート。一連のやり方を1回通して、最初のセッションが終わる。

「今日は、ここまでです。習った方法を来週のセッションまで、毎日1回は練習してください」

正直、その日のセッションでは、何も効果らしいものは感じない。ある意味、当然。体験したその日に効果が直ぐに出るなら、自分もここまで悩んでいないだろうし、ましてこの世の中、ノイローゼなどで苦しまれている方はほとんどいないはず。心の中でブツブツそう言い聞かせて、カウンセリングセンターから西荻窪駅へ向かう。

しかし、

1回目のセッションで、とても、大きな収穫を得る!

次回は「恐怖症克服に向けてのセッション初日で得た収穫!」をお伝えします。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*