『自己催眠中の脳波は、酒を飲んで、ほろ酔いかげんになったときの脳波の型とも似ている。ほろ酔いかげんのときは、快い気分と遠慮のとれたくつろいだ気持ちになるものである。…これは、まさに自己催眠中の状態と同じである。』
-『自己催眠 劣等感からの解放・6つの方法』(平井富雄 光文社)から抜粋 –
『自己催眠術』に書かれている平井富雄さんのお言葉は腑に落ちることばかり。
私なりに解釈してみると
「薬ではなく、自分の心の力を使って、ほろ酔いと同じくつろいだ状態になれる方法。ただし訓練が必要」
確かに、お酒を飲んで酔いがまわってくると不安や恐怖が徐々に消え、リラックスできる自分がいる。
これが嘔吐恐怖症の克服へつながる方法だと直感する。
克服して、
【ごく普通の生活】を手にしたい! それだけ。
“ごく普通の生活”って、、、
・吐くことを恐れない生活
・どこでも、誰とでも外食できる生活
私にとって、これだけ。(これが大変なんだけど…)
この願いさえ叶ってほしい!
『自己催眠術』を読みながら、ふと自分を振り返ってみる。
小学4年のある夜、全身が疲れ切るほどの激しい嘔吐をキッカケに、吐くことへの怖さが芽生え、朝食を食べず、給食を残ようになる。小学5年まではそれが許されたが、小学6年の担任が給食を残すことを許さない。給食時間だけでは食べ終えられず、昼休み、掃除までパンを食べ続けることに。吐くことへの怖さが大きく膨らみ、身体へも異変が起きてしまう。心臓がドキドキし、喉は硬直し、口の中はカラカラに渇き、手足の先がピリピリ痺れる。頭から血の気が引き、額から冷や汗が出てくる。気分が悪くなり、吐きそうになってくる。
次第に電車の中、デパートの中など人混みも怖くなっていき、電車では到着駅ですぐに出られるようにトイレ付近のドアの横に立ち、デパートや本屋などではどこにトイレがあるかを先に確認する。外を歩いていても飲食店からの匂いで気分が悪くなってしまう始末。
友人との約束も、昼ご飯、夕ご飯どきを避けた時間だけ。高校2年、大学2年と、友人からの外食に誘われ、同行するものの店内で身体の異変が起き、迷惑をかけた。大学2年のときの異変では親友を失った…。
合コンにも行けず、女性とのお付き合いも外食が怖くてできない。旅行も遠出も怖くてできない…。まかない食が出るバイトは怖くてできない…。
『自己催眠術』という方法は、
自分の力によって、身体に生理的な変化を起こして、心の病気を治していく方法のようだ。
ということは、
逆に、
私が悩んでいる吐くことへの恐怖は、私自身の心の中の不安や恐怖が自分の身体に悪い生理的な変化(緊張など)を起こしてしまったんじゃないかと気づいた。
「(こんなことが起きたらどうしよう?)」
「(こんなことになったら嫌われる)」
「(こんなことが起きたら恥をかく)」
起きてもいないことにもかかわらず、それが起きてしまったように考えてしまう…。自分が勝手に創り上げた空想にしかすぎないということ。
さらに逆に言えば、、、
空想によって身体に異変が起きているということは、空想によって身体に異変を起こさないようにもできるということに気づいた。
でも「大丈夫!気にしない!できる!」と念ずれば、それで改善できるものなんだろうか?
『自己催眠術』の記述に、、、
『自己催眠術は、自己暗示によって「ああしよう」、「こうしよう」と、みずからの心に言いきかす、いわゆる意志鍛錬法とは、まったく逆の性格をもっている。』
-『自己催眠 劣等感からの解放・6つの方法』(平井富雄 光文社)から抜粋 –
頭の中で「大丈夫!治る!」と暗示を言い聞かせる方法とは逆の方法…ということ。
よく読んでいくうちに、どんどん腑に落ちていく!
でも、どのように訓練すればいい?
次へ次へと読み進める…。
次回は、「恐怖症克服へ向けて、訓練開始!」についてお話しします。