吐くことへの恐怖、人と食事をする恐怖。何とか慣れた仲間と居酒屋へ行くことができるように。お酒を飲んで、酔いがまわってくると、不安や恐怖が引いてくることを知る。ヒントを探しに書店へ。そこで目に飛び込んできた一冊の本、『自己催眠術』。立ち読みして5分もしないうちに、今、自分が抱えている問題はこういうことなんだ!という記述に驚き。すぐにレジへ…。
紀伊國屋書店はスゴいな! 1時間かけて新宿まで来た甲斐があった!
急いで部屋に帰り、シーンと静まった部屋で、
興奮しながら『自己催眠術』を最初のページから読み進める。
早く知りたい!
何とか、その本から希望の光が見えれば…。恐怖症克服の糸口になってくれ…。
“マウス実験で不安や緊張が強いと寿命が短くなると考えられる”話は理解できたが、初めての言葉、初めての表現が多く、論理的な部分はほとんど私には解らない…。
さらに、、、
大脳皮質の話、脳波の話が続く。これもよく解らない…
そんなとき、ある文章に釘付け! これだ!
『自己催眠中の脳波は、酒を飲んで、ほろ酔いかげんになったときの脳波の型とも似ている。ほろ酔いかげんのときは、快い気分と遠慮のとれたくつろいだ気持ちになるものである。・・・(中略)・・・ アルコールによって、血液の循環がよくなり、筋肉の緊張が解けてくつろいだ気持ちのよい状態が、体や心の健康に悪いはずがない。これは、まさに自己催眠中の状態と同じである。脳波の波形からいっても、酒は「百薬の長」、自己催眠術も「百薬にまさる」といってもよいかもしれないのである。』
-『自己催眠 劣等感からの解放・6つの方法』(平井富雄 光文社)から抜粋 –
大学に入り、寮に入った4月当初、真夜中に起こされ先輩からお酒を飲まされ、寮の新人歓迎会では日本酒をどんぶりで飲まされるなどお酒で大変な思い。しかし、新人歓迎会以降、お酒の楽しさが解り、気が知れた仲間と居酒屋へなら行けるようになった。
お酒を飲んで、酔いがまわってくると不安や恐怖が徐々に消えていき、身体の緊張が解けていき、リラックスできる自分。酔ってくると、目の前にある料理も食べられるようになった。そこに何かヒントがあるんじゃないか? ずーっと考えていた。
平井富雄さんの『自己催眠術』の本に、薄々気づいていたことが、そのまま書かれているではないか!
これはスゴい発見!
「(自己催眠術で、お酒を飲んでほろ酔いかげんと同じリラックスした状態を作り出せるということ!?)」
今まで心の中に引っかかり続けていた2つのことが一気につながり、腑に落ちた!
1、TV番組での催眠術師の「催眠術はノイローゼの治療などに使えます」という話
2、また私が勝手に考えていた「もし薬で治るなら、世の中でノイローゼや恐怖症で悩んでいる人は減っていくはず。にもかかわらず、TV番組でも取り上げられるほど、悩む方は増えている…。薬って、オレにとって、腑に落ちない方法…」
そして、『自己催眠術』に書かれていた『即効薬は長続きしない』という記述…。
【薬に頼るのではなく、自分の心の力を使って、ほろ酔いと同じくつろいだ状態になれる方法。ただし即効薬ではなく訓練は必要】
さらに本の記述に、
『自己催眠術は、一度マスターすれば、その効果が一生消えない』と。
これだ! 腑に落ちる!
これが嘔吐恐怖症の克服へつながる方法だ!と直感
読書嫌いの私が、
さらに『自己催眠術』を読み進めていく。
「(初めて聞く言葉だらけで難しいな…)」
次回は、「恐怖症は自分が作り上げた○○?」についてお話しします。