小学4年のある日の出来事によって、吐くことを恐れるようになる。小学6年生では給食を残さず食べされられたことで、小さな怖さが大きな恐怖になる。人前で食べることを考えるだけで、身体に異変が起きるようになる。
恐怖に打ちひしがれ、身体まで蝕まれてしまった小学6年が終わり、中学生に。
姉から「中学校は給食について何も言わない。先生も職員室で食べるから教室にいないよ」。
高校は給食でなく弁当だから、これで、一生、給食で悩むことはない!
中学1年。姉が言っていたことは、本当だった!(当たり前か・・・)
給食時間。おかずを食べ、牛乳は一気飲み。パン3枚は残す毎日。
クラスメイトも、(特に女生徒は)パンを残す人が多い。
もちろん、給食を残すことについて、誰も話題にしない。
「(こんな世界を待っていたんだ!)」
もう、給食時間を恐れることはない!
1時間目、2時間目・・・、給食時間が近づいても、身体は異変を起こさない。
時間が恐怖症を解決する…、そう考える自分。
部活を終え、友人と帰路につく。田んぼの中にある農道を歩きながら、友人が「お腹が減った」!と、給食で残したパンを食べ始める。私もお腹が空いていたのと、周りが田んぼばかりの風景という安心感もあり、私も残したパンを食べながら、家へ向かう。できるじゃないか!
こんな穏やかな日々が続く。
しかし、心には1つの不安が…。
やはり吐くことを恐れる自分がいる。
給食後の5時間目、6時間目の時間に、体育館やグランドで大勢が集まる学年集会や映画上映会などがあるときは、給食をほとんど食べなかった。おかずは少量、牛乳は残す…。もちろん、少量しか食べないことについては周りは何も言わない。
相変わらず、中学生になっても友人との約束は、ごはん時を避ける。親から外食に誘われても、約束があるから、部活動があるからと避ける。
吐くことへの恐れが、心には残り続けている…。
でも、時間が解決するだろう。
今は、小学6年の、あの悪夢だった1年を癒す時。自然に良くなるはず…。
そう信じる。
中学を卒業。高校生に。
高校は弁当。食べる量など人は見ていないし、気にもしない。
とはいうものの、高校生になっても、
吐くことへの怖さが残り、中学のときと同じで、午後の授業で大勢が集まる集会などがある場合は、胃の中をほとんど空にする。友人との約束は、ごはん時を避ける。
吐くことへの怖さは、次第に薄れていくはず・・・。
中学に入ってから、あの身体の異変は起きていない。(他人と食事する場面を避けていたこともあり…)
そして、高校2年のある日曜日を迎える。
次回は、その「まさかの日曜日」についての話をします。