恐怖の給食の終焉。その恐怖は本当に終わったのか?

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恐怖は終焉?

 
小学6年生の給食での出来事によって、心の中だけだった嘔吐への恐怖が、当たり前のように身体に異変が起きるようになってしまったこと、切羽詰まって母に相談、「給食を残してもいい」と母と約束した担任。

約束通り次の日の給食、パンを残しても何も言われず。食べることへの恐怖、給食時間の恐怖から逃れられる喜びを噛みしめながら、今日も晴れやか、元気に登校する私。その日の給食時間に待ち受けていたものは?

給食を残しても何もいわれない。これだけで気持ちが本当に晴れやかに。
1時間目、2時間目、…、給食時間が近づいても、身体に異変が起きない。いつもならすでに異変が起きている。給食時間になっても気持ちに余裕がある。とにかくうれしい。とにかく晴れやか。

おかずを食べ、牛乳は一気飲み。なんとか最低限の量は食べる。いつもになく明るく、笑顔で同じグループのクラスメイトと話をする。話をしながら、手つかずのパン2枚を布巾に包み、それを給食袋に入れようとする。昨日と同じ。今日も残せる。

これでこれからも安心して学校に行けるし、毎日が楽しくなるぞー!
給食時間中の笑顔、久しぶりだ! 変な緊張感もなく、気持ちも晴れやかだ!

しかし、
突然! 大きな声が教室に響き渡る!

「鈴木君、今、残したパンを出しなさい! 残さず食べなさい!」

担任からだ。

「私はあなたのためを思って言っているの! 甘えてないで全部食べなさい!」

5月と同じ。和やかだった教室が一瞬で、シーンと静まり、そんな中、私は、しまい掛けた布巾をまた机の上に広げる。見たくない2枚のパンが再び目の前に。クラスメイトの「(オマエ、いい加減にしろよ)」と言わんばかりの冷たい視線を感じながら、パンを一口サイズの大きさにちぎる。

「(あぁ、はじまった!)」
心臓がドッキン、ドッキンと大きく鼓動する。
頭から血の気が引く。
身体全体に、何ともいえない緊張が走る。
手足の先がピリピリ痺れる。
胃がキリキリ痛む。
気持ちがどんどん悪くなってくる。

身体は、すぐに異変を示す。

「(母との約束はどうなったんだ!)」

「鈴木君のお母さんから、給食を残しても何も言わないように頼まれたけど、私は残すことは許さない!」

「(母から頼まれたことをみんなの前で言うか! 約束破りやがって!)」

と怒りを感じながらも、反抗できない。
それどころじゃない!

身体はドンドン異変を起こす。

「(どうしよう…、また地獄に…)」

パンを口に入れる。パンを噛む。口の中はカラカラ。
喉が反抗する。飲み込めない! 喉は受け入れない。
時間はドンドン過ぎる。

担任の視線は私に向けられたまま。
昼休みが始まる。また私だけ席に座ったままパンを食べ続ける。掃除の時間が始まる。机を教室の後ろ側に移動させながら、パンを食べ続ける…。たった1日で、この流れに戻るとは…。

また恐怖に打ちひしがれる日々が始まる…。

憂うつな気分で家に帰り、母に給食での出来事を伝える。
「え、そうなの? 先生、残しても何も言わないと一昨日、そう言ったんだけどね」

それだけ…。

もう一度、先生に頼んでほしいとは言えなかった。
親を利用していると周りに思われたくない!
担任から、さらなる仕打ちに遭うんじゃないか?

やはり大人って、信じられない! ウソつき!

いずれにせよ、晴れやかだった気持ちは1日で吹き飛ぶ。

そして、また地獄の学校生活が始まる…。恐怖症生活が再び始まる…。

逃げられない! 
誰も解ってくれない! 
何でオレがこんな目に!

どうしたらいいんだ!
誰か教えて!!

心でいくら叫んでも何にも変わらない。

何事もなかったように、今日の夕陽が静かに沈んでいく…。

次回は、「給食を残さず食べなさい!は嫌がらせでしょ?」 
についてお伝えします。

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