『嘔吐恐怖症を克服しようとしたキッカケは何だったんですか?』
という質問をされることがよくあります。
私が嘔吐恐怖症で苦しんだ、あの13年については、長年、人に話しをすることができませんでした。
思い出すと、気分が悪くなるとか、再発するんじゃないか…。
そういう不安ではありませんでした。
ただ、あの時代を、自分では恥の時代だと考えていました。
先生の監視のもと、クラスメイト40人の前で、体に異変が起きながらも給食を食べされられた光景・・・。
そのときの自分を人に知られたくないという気持ちが強く、話したくなかったんですね。
年月が過ぎ・・・。
インターネットによって、情報があふれる時代になりましたが、12,13年前、家でこっそり“嘔吐恐怖症”って検索してみたんです。まさかヒットするとは思いませんでした!
すると、同じ恐怖症でお悩みの方がたくさんお見えになる…。正直、「エッ」と驚きましたよ!
当時、吐くことが怖いなんて、自分だけだろう…。と(勝手に)孤独を感じていました。時代は違えど、当時も同じように悩んでいた方はいたんだろうな…と。
そんなとき、カミさんに、嘔吐恐怖症で苦しんだ経験を話しました。克服してから20年ほど経ったときです。
それ以降、不安や恐れなどの話題になったとき、自分の過去の恐怖症の話が平気でできるようになったんです。
予想に反して、私が恐怖症だった話しをすると、周りは身を乗り出して、話を聞いてくれたことに驚きました。
『どうやって克服できたんですか?』と聞かれることが一番多いですかね。
次に多いのが、
『克服する、そのキッカケは何だったんですか?』
参考にならないかと思いますが、
今回は、克服したキッカケについてお伝えします。
結論から言うと、『切羽詰まっていた』ということです。もう逃げられない状況に陥ったことがキッカケです。もし、当時、切羽詰まっていなかったら、先送りにして、逃げていたでしょうね。
中学から大学までは、友人と約束するときも、親から外食の誘いがきても、もっともらしいウソの理由を言って、騙し騙しに生きていました。でも、
社会人になるとそうはいかないはずです。
“付き合い”
“出張”
という、
食事が絡む状況が間違いなくあるからです。学生のときのように、適当な理由を言って、食事を断ることはもうできない、逃げられないと感じたました。
社会人になる半年ほど前から、毎日のように、食事に誘われる恐怖を考えてしまい、アパートに一人でいるときですら、体に異変が起きるようになってしまいました。
でも、私って、なかなか動かない人間なんです。治したい! と思いながらも動けない…。
「(動かないと何も変わらない!)」と言い聞かせても動かない自分・・・。
時間は過ぎていきます。
やっと、社会人まであと2ヵ月というところ、つまり切羽詰まったときに、動いたんですね。
今さらですが、もっと時間的に余裕があるところで動いておけば・・・と思いますが、それが私なんですね。
でも、当時、もし逃げる道があったとすれば、治すことよりも逃げることを私は選んだと思いますね。先送りという選択です。
切羽詰まったことが、克服するキッカケになったということです
参考にならない話で申し訳ないですが、何をキッカケにするのか…、これは考えてほしいですね。
ただ、あなたには「切羽詰まって」というキッカケでは動いてほしくないですね。
本当に今はつらい思いをしているでしょうが、ゆっくりで大丈夫です。諦めなくても大丈夫です。あなたもそうですが、人間には自然治癒力という力が備わっています。
少しずつ、ゆっくり、ちょっとずつ前に進んでいきましょうね。