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昔々、深い森の奥に、オーロラという名の
ココロ優しい女性が住んでいました。
オーロラは森の動物たちの面倒を見たり、
美しい花を育てたりして、静かに平和に
暮らしていました。
しかし、彼女自身、特別な才能もなく、
未熟で弱い人間だと感じていました。
ある日、森に不思議な老女が現れました。
老女はオーロラに言いました。
「オーロラ、あなたのココロの優しさと
勇気を試す時がやって来ました。
この森の奥にいるドラゴンが、
村の人々を恐れさせているのです。
しかし、誰も
そのドラゴンを退治できないのです。
あなたなら、きっと退治できるでしょう」
オーロラは
「わたしがドラゴンを退治?」と驚きました。
しかし、老女の目はキラキラと輝き
オーロラに対する深い信頼がありました。
彼女はココロを決め、ドラゴンがいる
森の奥へ向かうことにしました。
道中、オーロラは
さまざまな困難に直面しました。
険しすぎる道を歩き、暗い洞窟を進み、
冷たい川を渡りました。
彼女は何度も「私にはできない・・・」と
何度も諦めようとしましたが
森の動物たちの助けを受けて前進しました。
そして、ついにオーロラは
ドラゴンの住む洞窟にたどり着きました。
暗ーい、深―い洞窟の奥で、オーロラは
巨大なドラゴンと遭遇しました。
オーロラは、怖さのあまり全身が震え、
声すら出ず、すぐに逃げ出したい状況でした。
「老女の言葉を信じると決めたはず」と
オーロラは勇気を振り絞りました。
ドラゴンは、オーロラを
威嚇するように火を吐きましたが、
オーロラは、ひるむことなく
ドラゴンに少しずつ近づいていきました。
「ドラゴンさん、私はあなたを
キズつけに来たわけではありません。
村人があなたをとても恐れているのです。
どうか、その理由を教えてください」
オーロラは、ドラゴンに
優しい口調で語りかけました。
ドラゴンはとても驚きました。
今まで誰にも、優しい言葉で
話しかけられたことがなかったからです。
ドラゴンの目から涙があふれ出ました。
そして、涙ながらに言いました。
「実は、私は一人ぼっちで寂しいのです。
友だちがいなくて、その寂しさゆえに
火を吐いて村びとを怖がらせていたのです」
オーロラは、ドラゴンのその言葉に
グーッとココロを動かされました。
「ドラゴンさん、私が、今ここで
あなたの友だちになりますよ。ですから
もう一人ぼっちだと思わないでください。
村の人たちも、あなたの寂しい気持ちを
きっと理解してくれますよ」
その言葉に、ドラゴンは感激し、
オーロラと共に村へと戻りました。
村の人々は、オーロラが、
ドラゴンを連れて戻ってきたため、
とてもビックリしました。
しかし、オーロラの話しを聞き
ドラゴンの事情を知り、ドラゴンを
温かく村に迎え入れました。
それから、ドラゴンは村の守護神となり、
村の平和を守る存在となりました。
オーロラは、自分が思っていた以上に強く、
優しいココロが備わっていることを知りました。
そして、その勇気と優しさが、
村の人々を救い、ドラゴンという
新たな仲間を得ることにつながったのです。
オーロラのように、
あなたも自分自身を信じましょう。
あなたの中にも、オーロラのような
思いやりと勇気が秘められていますから。
どんな困難も乗り越えていける力が、
あなたの中にもあるのですから。
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今回は以上です。