「強くなる」=「弱くなる」

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「強くなる」=「弱くなる」

次の昔話を聞いてくださいね。

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昔々、ある小さな村に、とても優しく

ココロ美しい少女が住んでいました。

 

彼女はアヤといいました。

アヤはいつも周りの人々を助け、

村人から愛されていました。

 

しかし・・・、

アヤ自身、自分はココロが弱く、

すぐに弱気になってしまうことを

とても悩んでいました。

 

アヤは「もっと強くならなければ」と

いつもココロの強さを求めていました。

そんなある日、アヤは、村の賢者である

老女に相談してみることにしました。

老女は、アヤの悩みを聞いた後、

静かに、優しく語り始めました。

 

「いいかい、アヤ、

 強くなろうとすることは

 決して悪いことではないのよ。

 

 でもね、強さがあれば、もっと

 上手くいくものではないことを

 知っておくことも大切だと思うのよ。

 

 私が若かった頃、あなたと同じように

 自分のココロの弱さに、日々

 悩んでいたことがあったのよ」

 

おばあさんは、続けて語り始めました。

それは、ある王国の物語でした。

 

その王国は、強さを象徴するために、

国民が剣の修行をしていました。

 

人々は、強くなることを目指し、

「ココロの痛みや弱さこそが、

 自分を堕落させる元凶だ」という思想が

国中にまん延していました。

 

特に王様は、国を守るためには

もっと強くなければならないと信じ、

ココロの弱さを決して許さない人でした。

 

王様も強くなるために修行を重ね、

ココロの痛みや弱さを捨て、

それらを感じないようにしました。

 

その結果、王様は

ココロの痛みに鈍感になったばかりでなく

国民の痛みも感じなくなってしまいました。

 

王様は、部下や国民に

「もっと強くあれ」と厳しく当たりました。

ココロの優しさを失った王様は、

次第に孤立して、国民から見放され、

国は大混乱におちいりました。

 

そんな中、リサをいう一人の

若い女性がいました。

 

リサも「ココロを強くしよう」と

日々、修行していましたが

自分が思ったように強くなれませんでした。

 

リサは「自分の弱さ」を素直に受け入れ、

同じような想いを持つ人たちと

手を取り合っていくことを選びました。

 

リサの優しさと想いは、

周りの人々を癒し、助け合う社会を

築いていきました。

 

やがて、リサのうわさを知った王様が、

彼女に会いに行きました。

 

リサは王様に言いました。

「強くなることがすべてではないと

 私はそう悟ったのです。

 

自分の弱さをお互いに受け入れ、

助け合っていくことが本当の強さだと

私は思うのです。

 

助け合いの気持ちが生まれ、

困難に立ち向かっていくアイデアが育ち

 

困難を乗り越えていける力が

生まれ、育っていくと私は思うのです」

 

王様は、リサの話しを素直に受け止めました。

「ココロの弱さを知ることによって、

 みんなが理解し合い、助け合い、

 大きな力になっていく? そうか!」

 

王様は、自分の過ちに気づいたのでした。

国はココロが通い合い、助け合う国に

変わっていきました。

 

アヤは、おばあさんのその話を聞きながら

涙がどーっとあふれてきました。

 

アヤは、ココロを強くしようとしても

逆に、人は他人に対して横暴になり、

優しさを失っていくものなんだ。

 

弱さや痛みを感じながら

助け合っていくことこそ

それが強さになっていくんだ。

アヤもそう気づきました。

 

それから、その村は・・・、

自分の弱さを素直に受け止め、

人の痛みや苦しみを感じ取れる

優しさあふれる幸せな村になりました。

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弱さがあるからこそ、

人は人に優しくなれ、

力を合わせていくことができる、、、

そんなお話でした。

 

強くなる必要はないと

私は思います。

 

そもそも人間は、虫1匹にも

殺されてしまう弱い生き物です。

 

自然のたくましさに比べると

人間は、もろい生き物です。

 

弱いがゆえ、アイデアを結束し、

助け合ってきたからこそ、

 

今のところ人間は、地球上で

君臨しているのです。

(良い悪いは別にして・・・)

 

そもそも・・・、

・「ココロが強いってどういうこと?」

・「ココロが弱いってどういうこと?」

という質問を自分に投げかけてみましょう。

 

自分の「在り方=想い」を

明確に知り、その「在り方」を

大切に育てながら、生きていく

 

それが本当の強さではないかと

私は思います。

 

今回は以上です。

 

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