まずは、この昔話を聞いてくださいね。
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昔々、ある山の奥深くに『ありのままの谷』
という美しい場所がありました。
その名の通り、この谷には、
正直な心を持つ者だけが入ることが許され、
その人たちには、特別な幸せが訪れると
言われていました。
しかし、その谷に入るためには
自分自身を偽らずにいることが条件でした。
その村には、サクラという、
とても明るい女性が住んでいました。
サクラは周りの人々を気遣い、常に
笑顔で接していましたが、
ココロの底から気を遣っている訳でもなく
ココロの底からの笑顔でもないと
自分では、そう気づいていたのですが、
本当の自分に自信が持てなかったため、
背伸びして、自分を良く見せないと
人から好かれない人間だと思っていました。
サクラは、たくさんの人に好かれたいと思い
「いつも人のために完璧であろう」と
努力していました。
ある日、サクラは噂で聞いたことがある
『ありのままの谷』のことを思い出しました。
そして、心のどこかで
「自分もこの谷で本当の幸せを見つけたい」と
思うようになりました。
勇気を出して谷に向かったサクラは、
入り口で美しい妖精に出会いました。
妖精は優しく微笑みながら言いました。
「サクラさん、この谷に入るには、
自分の本当の姿を見せることが条件です。
周りに気遣いしたり、笑顔で接したり
することは、悪いことではありません。
しかし、人に好かれようとして
偽りの自分を作っても、それでは
本当の幸せをつかむことはできません。
あなたは、周りの期待に応えるため、
好かれるために作り上げてきた仮面を
今、脱ぎ捨てられますか？
本当の自分を見せられますか？」
サクラは、妖精の言葉に唖然としましたが
深―い深呼吸をして、自分のココロに
正直な人になろうと決意しました。
「私は、いつも自分をいい人だと見せようと
気遣いをしたり、笑顔を見せたりしています。
自分を大きく見せ、背伸びをしないと
人から嫌われ、人から認めてもらえない人間だ
と思っていました。
でも、それは本当の自分とは違うと
薄々気づいているのですが、
本当の自分を周りに見せることが
とても怖いのです。
でも、これからは周りの目を気にして、
気遣いしたり、笑ったり、背伸びする･･･
これからはしません。正直に生きます」
サクラは、何とか声を振り絞り、
妖精にそう言いました。
すると、妖精は、嬉しそうな笑みを浮かべ、
サクラを『ありのままの谷』に迎え入れました。
『ありのままの谷』に入ると
色とりどりの鮮やかに花が咲き乱れ、
ココロが晴れ晴れとした青空のように、
スカッとする光景が広がっていました。
サクラはその美しさに感動し、
自然と涙があふれ出てきました。
谷で過ごすうちに、サクラは次第に
ありのままの自分を受け入れることが
できるようになりました。
彼女は、ムリをして笑顔を作ったり、
自分を大きく見せたりする必要はないと知り、
ありのままの自分でいることが、いかに
楽で、ココロ穏やかで、心地良く過ごせるか、
それに気づいていきました。
そして、自分の自然な姿こそが、周りにも
本当の幸福をもたらすことを悟ったのです。
村に戻ったサクラは、以前よりも
一層キラキラして、輝きが増していました。
彼女は、ただただ、
ありのままの自分の姿をもって
周りと接していきました。
人に余計な気遣いをすることなく、
周りの目を気にせず、ムリに笑顔を作らず、
背伸びせず、ただただ自然体で。
そして、
自分に正直に、今の自分を楽しみ、
自分のココロの声を素直に聞き入れました。
村人たちは、サクラの変化を見て、
自分たちもまた、本当の自分を
受け入れる勇気を持つようになりました。
サクラは、ありのままの姿で生きることが
自分が幸せになれることを学び、さらに、
その影響を感じ取れた周りの人たちも
より幸せに暮らしていけるということを
身をもって伝えることができたのです。
おしまい
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人に好かれようと、偽りの自分を
見せながら生きることは
ご自分の本能に逆らうことになります。
当然、自分で苦しみながら、
ストレスをも抱えていくものです。
周りもその偽りの姿を見透かすものです。
- これからは真の自分の姿で生きていきますか？
- これからも偽りの自分の姿で生きていきますか？
今回は以上です。
