雑誌などを見ると、性格分析が載っているときがありますよね。
質問に答えて、A方向に進むか、B方向に進むか…。4,5問の質問に答えていくと…、
『あなたは、積極的で、バリバリと仕事をこなし、組織を育て上げていく管理職タイプです』という結果にたどり着いたとします。
「確かにそうだ」。あなたはハッと気づきます。笑みを浮かべながら。
同時に、ふと、「(実は、2問目の質問でAに進むか、Bに進むか迷って、Aを選んだけど、Bを選んだなら、どういう性格にたどり着くだろう?)」と、2問目に戻って、もう一度分析してみると、『あなたは、与えられた仕事を、一人でコツコツと粘り強くやり遂げる研究者タイプです』という答えにたどり着いたとします。
「(確かに、こっちも自分に合っているよな…)」と。
このような経験って、ありませんか?
血液型での性格判断もそうですね。
友人から、
「○○さんって、B型ではないですか? こういう性格なので…」
合っている場合もありますが、結構ちがっていることも多く、
「えっ、A型なんですか! そう見えないけど…」と言われることもあるはずです。
それは、どうしてでしょうか?
それは、、、
人は「多面性」を持ち合わせているからです。
多面性って、
・甘い食べ物は嫌いだけど、ガムや飴は好きな自分
・自然が多い田舎も好きだけど、都会も好きな自分
・男性同士で出掛けるときは積極的だが、女性メンバーと出掛けると消極的になる自分。
・現実的にモノごとを考えるが、理想的に考えるときもある自分。
・仕事の問題はポジティブに進められるけど、恋愛になるとネガティブになってしまう自分。
・同僚から優しいと言われるけど、家族からは冷たいと言われる自分
・一人で静かに過ごすのも、人と賑やかに過ごすのも好きな自分
・大胆に動くこともあれば、石橋を何度もたたいて渡るほど慎重になる自分
・友だち思いなところもあるけど、自己中心的なところもある自分
など相反する部分も持っているということです。
あなたに心当たりはありませんか?
人は、場面や相手によって、まったく相反する価値観を持ち合わせています。
もちろん、50:50ということはないので、どちらかと言うと「積極的だ」とか、どちらかというと「人付き合いが苦手」という傾向はあるはずです。
性格分析手法を否定するものではありませんが、
「私は、こういうタイプの人間です!」と一言では表現することは簡単にはできないものです。
人間にとって、「多面性」を持ち合わせていることが、生きていく上で必要な武器なんでしょうね。
推測ではありますが、、、
人間は、集団で狩りをしながら生き延びてきた動物です。集まって、知恵を出し合って獲物を取ってきたわけです。一人だと生きていけない動物です。虫にも殺されるほどです。生き延びていくためには、「多面性」を持ち合わせていないと、集団の中では生きていけなったのではないでしょうか? 集団から脱することは、ある意味、死を覚悟するものだったと思います。
自分はどういう傾向の人間なのか?
どんな場面で、どちらのタイプになるのか?
それを知るためには、「過去を振り返る」ことが大切ではないでしょうか。
過去を振り返り、小さな答えが集まってきたときに、複雑とはいえ、「本当の自分」が見えてくると思います。
本当の自分が見えると、これから、何がやりたいのか? どこに向かいたいのか?
よりクリアに見えてくるんじゃないでしょうか。